定義
平均回帰
平均回帰は、価格が基準値へ戻る動きを取りにいく手法です。前提としているもの、勝率が低くなるのが自然な理由、そして機能しなくなる相場条件を説明します。
平均回帰とは、基準となる水準——移動平均、当日のVWAP、前日終値——から大きく離れた値動きは、そのまま伸びるより一部戻る可能性が高い、という前提に立つ戦略の総称です。基準は安定していて、乖離のほうがノイズだと仮定します。崩れるのはこの仮定です。相場が水準そのものを切り替えると、価格が基準へ戻るのではなく基準が価格に追いつき、その途中で取ったエントリーはすべて損失になります。
- 別名
- 逆張り · 平均への回帰 · リバーサル戦略
計算方法
A mean-reversion rule needs three numbers, not one:
· Reference — the level being reverted to (moving average, VWAP, prior close)
· Deviation — how far price must travel from it before entry
· Invalidation — the move that says the reference itself has shifted
Expectancy = (Win% × Avg win) − (Loss% × Avg loss)
A 31% win rate breaks even once the average win clears ~2.2× the average loss.
計算例: 勝率31%、平均利益+1.0%、平均損失-0.4%の規則の1トレードあたり期待値はコスト控除前で (0.31×1.0) − (0.69×0.4) = +0.04%です。
勝率が低いのは自然な形であり欠陥ではない
短い時間軸の平均回帰は、小さく頻繁に利益を確定し、乖離が乖離し続けたときに損失を受け取ります。QANTERION が貴金属戦略で想定勝率31%を公開しているのはこのためです。規則が儲かるかどうかを決めるのは勝率ではなく期待値です。勝率31%なら平均利益が平均損失のおよそ2.2倍を超えて初めて損益がゼロになり、勝率より先に確認すべきなのはこの比率です。
トレンド相場が破綻要因
平均回帰と順張りは同じ相場についての異なる意見ではなく、正反対の局面に賭けた別々の戦略です。行き過ぎをすべて逆張りする規則は、レンジが続く限り積み上げ、トレンドが定着した瞬間から損失を出し続けます。だから監視すべきはエントリー条件ではなく局面であり、だからこそ厳格なドローダウン上限が順張り以上に重要になります。
よくある誤読
勝率の高さは平均回帰が機能している証拠として読まれがちですが、実際には逆を意味することが少なくありません。利益を早く閉じ、損失を放置しているだけで、まだ支払っていない含み損の尾を抱えている状態です。信用に値するのは勝率の隣に並ぶ最大ドローダウンであり、勝率単体ではありません。
出典
- Mean Reversion in Stock Prices: Evidence and Implications — National Bureau of Economic Research (Poterba & Summers), Working Paper 2343
本用語集は教育目的です。ここに投資助言は含まれず、記載のいかなる指標も将来の結果を予測するものではありません。
定義を知るのは簡単な部分
ドローダウンの意味を知っていることと、それに達したら止まる仕組みを持っていることは別です。QANTERIONは戦略の稼働中にこれらの制限を実際に適用します。