定義
シャープレシオ
シャープレシオはボラティリティ1単位あたりの超過リターンを測ります。定義、計算式、数値の読み方、そして値が膨らむ三つの経路を解説します。
シャープレシオとは、超過リターンをボラティリティで割った値です。戦略のリターンから無リスク金利を引き、そのリターン系列の標準偏差で割ります。取ったリスク1単位に対してどれだけ報われたかを示し、一般に1.0超で良好、2.0超で優秀とされます。ただし比較できるのは、同じ期間・同じ頻度で計測された値どうしに限られます。
- 別名
- リスク調整後リターン · シャープ指数
計算方法
Sharpe = (Return − Risk-free rate) ÷ Standard deviation of returns
Annualise by scaling: Sharpe_annual = Sharpe_period × √(periods per year)
Sortino replaces the denominator with downside deviation only.
計算例: リターン18%、無リスク金利4%、ボラティリティ12% → (18 − 4) ÷ 12 = 1.17。
上振れも下振れも等しく罰する
標準偏差は大きな利益と大きな損失を同一に扱うため、時折大勝ちする戦略と時折大負けする戦略が同じ評価になります。ソルティノレシオはこのために存在し、下方偏差だけを用います。トレンドフォローやオプション買いのように、意図的に非対称な損益分布を持つ戦略では、シャープは体系的に品質を過小評価します。
サンプリング頻度で答えが変わる
日次リターンから求めて√252で年率化したシャープと、月次リターンから求めて√12で年率化したシャープは同じ統計量ではありません。リターンの系列相関により、高頻度版は楽観的に出ます。公表値を比較する際は、頻度と年率化の慣行が数値そのものと同じくらい重要です。
よくある誤読
高いシャープはしばしば低リスク戦略と読まれます。しかしこれは滑らかさの指標であって生存の指標ではありません。テールリスクを売る戦略は、それを終わらせる事象が起きる直前まで優秀なシャープを示します。シャープは最大ドローダウンの代わりではなく、隣に並べて読むものです。
出典
- The Sharpe Ratio — The Journal of Portfolio Management (author's reprint, Stanford University)
- The Deflated Sharpe Ratio — The Journal of Portfolio Management (author copy, David H. Bailey)
本用語集は教育目的です。ここに投資助言は含まれず、記載のいかなる指標も将来の結果を予測するものではありません。
定義を知るのは簡単な部分
ドローダウンの意味を知っていることと、それに達したら止まる仕組みを持っていることは別です。QANTERIONは戦略の稼働中にこれらの制限を実際に適用します。